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不登校や引きこもりの原因の1つとして

社交不安症という病気があります。この病気にはいろいろな呼び名があります。

 

社会不安障害、社会恐怖、社交不安障害、社交恐怖、対人恐怖症など、さまざまな呼ばれ方をしますがこれらはすべて同じ病気です。

 

社交不安症は精神疾患の中でも有病率が高い疾患です。また比較的高い有病率でありながら受診率や診断率の低い疾患です。

 

 

社交不安症の人は他人から注目される状況、他人の注視を浴びる状況に対して持続的な恐れを抱き、またそのような状況で恥をかくことを極度に恐れます。

 

人と接する場面に対する恐怖や不安を感じるため、毎日の生活や仕事に支障が出てしまいます。

 

対人関係状況が苦手なために対人関係状況を避けるようになります。対人関係状況が避けられない場合、非常に強い苦痛を感じます。

 

米国では社交不安症の8~17歳の罹患率は約7%です。社交不安症は若年発症することが多く、そのために学校生活や社会生活に大きな支障がでます。

 

このため、社交不安症に対しては早期の治療介入が必要となります。

 

社交不安症は以前は、あがり症や恥ずかしがり屋であるというように、性格の問題としてとらえられていました。病気であるという認識はされていませんでした。

 

DSM-Ⅲにより診断基準が示されて以降、疾患として認識されるようになりました。

 

社交不安症の患者の医療機関の受診率は、海外のデータでは併存疾患がない場合は0.3%、パニック症を併存している場合でも約14%と低いです。

 

このように受診率が低い理由には上述のように性格の問題と考えてしまったり、社交不安症の症状により受診行為自体を避けてしまったり、周囲に援助する人がいなかったりすることがあげられます。

 

うつ病などの他の診断名で治療中に社交不安症が疑われるケースには次のような場合があります。対人緊張を認める場合や抗不安薬が長期間処方されている場合などです。このような場合には治療中の病気の他に社交不安症も存在する可能性があることに注意が必要です。

 

社交不安症は受診率が低く、治療がされていない患者も多いと考えられるため、医師は社交不安症の知識や認識を高めて積極的にスクリーニングすることが大切です。

 

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