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認知症にそなえて③

前回はアルツハイマー病は進行を遅らせるお薬を使うと書きましたが、対応はそれだけではありません。

 

薬を使う治療法(薬物治療)のほかに、薬を使わずに、脳を活性化して、残っている認知機能や生活能力を高める治療法があります。

 

まず最初に取り組むことは、家庭内や地域で本人の役割や出番を作ることです。
認知症が進行して、日常生活で上手くできないことや失敗が多くなると、家族は本人の家庭内での役割や出番を徐々に減らして、「何もしないでもよい」状況を作ってしまいがちです。何もすることがなくなって、呆然として暮らすだけでは、認知機能はさらに低下してしまいます。この時期はコタツに入りずっとテレビを見ている場合が多いですが、テレビは一方通行の情報なので、見ていても脳は活性化されません。

 

そこで、たとえば、いっしょに買い物に行く、食器を片付ける、洗濯物をたたむなど簡単なことでも、役割や出番を確保することが自分の存在感を再確認するチャンスになり、自発性を引き出すことにつながります

 

ただ、誰もがそのように素直に自発的にになってくれるわけではなく、外出はおろか入浴や着替えも億劫がり、せっかく準備したデイサービスにも行ってくれないケースもあります。その人の個性や性格にもよりますが、家族で抱え込まず、些細なことでもご相談ください。

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