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急性致死性不整脈

先日、突然死された女性タレントの死亡病名が急性致死性不整脈ではないかとの発表がありました。急性致死性不整脈がどのような疾患か、文献の引用を示させてもらいますと。

 

①放置したままでいると意識消失から突然死に至る危険性が高く、緊急な治療を必要とする不整脈。②拍動が異常に速くなる頻脈性不整脈のうち、心室頻拍や心室細動を致死性不整脈という。と定義されています。

 

その原因として、加齢、自病、生活習慣、ストレスがあげられています。人間は年齢とともに臓器機能の低下があるので、高齢者はリスクが高いことは受け入れざるをえません。また、自病として心臓の病気があれば、不整脈を起こすこともあり得るでしょう。生活習慣も、過度な喫煙、糖尿病や高脂血症など動脈硬化を来す疾患があれば不整脈も起こりうるでしょう。

 

ではストレスは?過度な緊張やストレスは、頻脈につながるのでドキドキという動悸を自覚することもあるでしょう。リラックスすれば治ります。それが、長い間緊張状態になれば、睡眠中も動悸や頻脈を起こしうります。それを心療内科の世界では、「自律神経失調症」と診断することもあれば、予期不安から生じる過呼吸や発汗を伴えば「パニック障害」と診断することもあります。

 

今回、亡くなられた芸能人の方は、年齢も若く自病などがある可能性は低く、「ストレス」という原因ではあまりにも悲しすぎます。多忙な芸能人とはいえ、なんらかのストレスケアはできなかったのでしょうか。悔やんでも命は帰ってきません。当院にも頻脈や動悸を主訴に受診される患者さんが多数こられますが、まずは、心臓の疾患の有無や自病、生活習慣(不眠も含め)などをよく考慮し、持病がある場合は連携医療機関の循環器科とも足並みをそろえて治療を行うべきと痛感しました。

 

 

 

 

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