ブログ

最近の心療内科はおかしい方向に来ている

近頃、少し違和感があることがあり、雑感を書きたいと思います。

 

 

心療内科には1人くらい臨床心理士が勤務していることが多く(残念ながら当院には不在のため私が兼任しておりますが)、初診の患者さんの病歴の聴取や必要な心理検査を行っていました。これを従来型の心療内科と称することにしましょう。

 

 

ところが、最近は多くの心理士(ひどい場合は無資格の心理カウンセラーと称する素人)を擁する心療内科が乱立しつつあり、どこも2診 3診と医師の診察表と同列に配置し、心理士が診察を行っているクリニックが散見されます。

 

 

患者さんの話を心理士が聴きカルテにまとめ、医師は処方箋を出すだけといったスタイル(ひどいところでは患者がネットで調べて自分の欲しい薬をリクエストし、欲しいものをそのまま処方するところも)の心療内科が散見されます。しかも医師も経験10年未満の若い先生が院長をされています。これを新型心療内科と称しましょう。

 

 

新型心療内科はビジネスモデルとして急成長し、都市部には非常に多く乱立してきました。5人以上の心理カウンセラーを擁し、素人カウンセラーは50分2000円〜  資格を持った臨床心理士は50分10000円くらいを自費として行っていることが多いようです。

 

 

 

 

このビジネスモデルはおそらく医師の開業支援を生業とした広告会社が広めたやり方でしょうが(実際のところ私も10年位前に怪しい事務長と称する広告会社から「かならず儲かるようにするから一緒にやらないか」と誘われたことがあります)、現在問題となっている、うつ病の誤診(新型うつ病という造語を本気で診断名に使っている医師がいます)や抗不安薬の過剰処方の温床になっていると危惧しております。心療内科医の端くれとしては、このようなビジネスに患者さんがかかり医療の質の低下や社会の腐敗を招くのではないかとモヤモヤしていました。

 

 

 

特に京都や大阪市内などの心療内科激戦地では今後も新型心療内科が増えるでしょうし郊外にも進出してくるでしょう。しかし私の後輩のクリニックは気持ちがいいほど、これに対抗しているのを見て危惧が希望に変わりました。

 

 

 

 

 

 

中田こころのクリニックも当然ですが無資格心理カウンセラーは今後も配置しませんし、商業的なビジネスモデルに転じることなく、従来型の心療内科であり続けることを約束いたします。

 

 

 

 

 

 

TOPに戻る