パニック障害は誰にでも起こりうる疾患です。
その原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が重なった結果、脳の神経や神経伝達物質の異常が発生して生じるというのが有力な考え方です。(パニック障害の要因として指摘されているものについては次項で詳しく説明します)
一度パニック発作を経験すると、その恐怖体験から「また発作が起こってしまったらどうしよう・・・」という不安(これを予期不安とを言います)が頭から離れなくなり、不安がどんどん増悪してしまうという悪循環に陥ってしまうことが多いため、パニック障害はしっかりとした治療を行う必要があります。
このような事を言う方は、パニック発作を起こすとどれくらいの恐怖を感じるのかを全く分かっていません。
例えば、パニック発作の症状のひとつに呼吸苦がありますが、突然息が出来ない感覚に襲われるのはものすごい恐怖です。溺れかけた経験がある方は、その時の苦しさが日常で突然起こってしまうことをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
しかも、それがいつ起こるか分からないのです。これではとてもじゃないけど外に出れませんし、仕事を続ける自信も無くしてしまいます。溺れかけた人がしばらく水中に入るのを怖がるのと同じように、日常の全てが怖くなってしまいます。
繰り返しますがパニック障害は、様々な要因が重なった結果、脳の異常が起こってしまい発生する「脳の病気」です。これを誤解してはいけません。
「私のこころが弱いから」「私がダメだから」なるのではなく、誰にでも生じる「病気」なのです。そして、病気である以上、適切な治療を行えばしっかりと治すことができます。