前回に引き続きうつ病について語らせていただきます。
賛否のわかれるデリケートな話ですのであくまで私の私見ということで。
「うつ病」と一言で言っても、過労やストレスによる一過性の「慢性疲労症候群」と
呼ばれるものから脳科学で明らかにされつつある脳内モノアミン分泌異常という生ま
れついての精神疾患(3大精神疾患は統合失調症 躁病 うつ病と呼ばれることもあ
ります)まで様々です。それらを混同しないために「うつ病」という大きなくくりで
はなく「気分障害」「双極性障害」と”病”をつけずに”障害”という表現を使うことも
増えてきました。患者さんにとってはますます解りにくいですよね。
ただどのタイプのうつ病にも共通して言えるのは治療の基本は安静休養です。疲れた
神経が自然に回復してくるのを待ってあげることが大切です。骨折した骨がくっつく
まではギブスで安静固定するようなイメージでかまいません。
薬物治療はあくまで回復補助的治療の一環でしょう。
ただ、全ての患者さんが十分な安静休養がとれるでしょうか?会社員は仕事と治療の
両立、主婦の方は家事や育児を一切放棄するわけにもいきませんし、学生さんも休学
して留年することは好まないでしょう。
薬物治療は理想論と現実の間にあるものだと考えています。
結語は第三回でお話しさせていただきます。
中田こころのクリニック 院長