物忘れ外来

その症状、「性格の問題」とはかぎりません

物忘れには加齢によるものと、認知症の初期段階とがあり、早期診断が重要となります。物忘れ外来では、ちょっとした物忘れが認知症によるものかどうかを診断し、治療を行います。

物忘れ(MCI)外来について

最近、こんな物忘れはありませんか?

記憶があやふや
  • 同じ事を言ったり聞いたりする。
  • 人と会う約束や日時を忘れる。
  • 最近の出来事を思い出せない。(例:食事をとったかなど覚えていない)
  • よく物をなくしたり、置き忘れたりする。
  • 水道やガス栓の締め忘れが多くなった。
  • 物の名前が思い出せないことが多い。
今まで出来ていた事が出来ない
  • 今までスムーズに出来ていた作業がこなせなくなった。
  • 簡単な計算の間違いをする。
なぜかやる気が出ない…
  • 今まで好きだった物に対して興味を失った。
  • 服装や身だしなみを気にしなくなった。
  • 日課をしなくなった。
時間や場所がわからなくなる
  • 時間や場所の感覚があやふやになった。
  • 良く知っているところで道に迷った。
性格が変わった
  • ささいなことで怒るようになった。
  • 以前よりも疑い深くなった。

認知症外来受診までの流れ

①医師の診察

月~土曜日の診察時間に当院を受診していただきます。

②当院にて認知症テスト

テストをお受けいただきます。

③脳血流スペクト検査、MRI検査

認知症の可能性があれば、検査の予約をします。後日、脳血流スペクト検査、 MRI検査をお受けください。

■検査費用の目安
3割負担 1割負担
脳血流スペクト検査 約22,000円 約7,500円
MRI検査 約5,600円 約1,900円
合流 約27,600円 約9,400円
④当院での認知症外来治療スタート

当院にて治療をスタートいたします。

物忘れの種類について

  • 年齢に伴う物忘れ
  • 軽度認知機能障害(MCI)
  • 認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症など)
  • 治療により回復する物忘れ(慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、老年期うつ病 など)

物忘れには、年齢による「正常な物忘れ」、認知症になりやすいとされる「軽い物忘れ」、「病気による物忘れ」があります。
これらの中には、早期発見や適切な治療を行うことによって回復するものもあります。また治療の方法が無いとされてきたアルツハイマー病などでも適切な治療や生活習慣を見直すことで症状の改善が期待できます。
当院では「物忘れ」を早期発見し、適切な治療につなげられるよう、診察、神経学的検査、神経心理検査、画像検査などを用いて、総合的な診断から治療を行います。

軽度認知機能障害(MCI)とは

軽度認知機能障害は認知症ではありません。しかし、健康な状態でもなく、年齢に伴う物忘れと認知症の間の段階と言えます。
軽度認知機能障害の人は、そのまま治療を受けなくても半数は認知症にならないと言われており、逆に言うと治療を受けない方の半数は認知症になる可能性があります。また現在は認知症の進行を遅らせる治療という方法をとっている医療機関が多く散見されますが、認知症になってから治療するのではなく、認知症になる前(PreMCIとよばれています)から生活習慣や定期的な診察検査を行うことにも取り組んでおります。

認知症とは

認知症とは、何らかの脳の障害によって知能が低下した状態をいいます。以前は、このような状態を「痴呆」と言われていましたが、平成16年12月から正式に「認知症」と変更されました。
認知症は、大きく2つに分類されます。

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、全体の約50%を占め、女性に多いと言われています。最近の出来事を忘れてしまうという症状が見られ、体験したことそのものを記憶できていないため、指摘されても思い出す事が出来ません。

加齢による物忘れと認知症の違い

加齢による物忘れと認知症は一見似ているように見えますが、認知症は「起こったことをすっかり忘れてしまう」という特徴があります。
例えば、加齢による物忘れは「夕飯を食べた事は覚えているが、何を食べたのか思い出せない」のに対し、認知症は「食べた事を思い出せない」といった違いがあります。このため、認知症の方はご飯を食べたばかりでも「ご飯はまだ?」と言ったりするのです。

老年期うつ病

老年期うつ病は認知症と並んでよくみられる病気の一つです。ただ、うつ病と思っていても、アルツハイマー病やレヴィー小体病であることもあります。
現在は認知症の進行を遅らせるという治療方法をとっている医療機関が多く散見されますが、当院では認知症になってから治療するのではなく、認知症になる前(Pre MCIとよばれています)から生活習慣の改善や定期的な診察検査をするよう取り組んでおります。

アルツハイマー病とは

全体の40%弱とされています。検査技術が進歩するにつれ、アルツハイマー病と思われていたものが新しいタイプの認知症だとわかり、疾患によってはアルツハイマー病とは全く異なる治療を推奨されることもあります。数年前アルツハイマー病だろうと診断され、漫然と内服加療を受けている方は今一度そのままの治療で良いのかご相談ください。

加齢による物忘れ/認知症

脳血管型認知症とは

脳の太い血管が詰まると脳梗塞になり半身麻痺などの大きな障害が生じます。
しかし脳の微小な毛細血管が詰まることで、日常生活には大きな支障はみられないものの物忘れがおこる、これが脳血管型認知症です。

微小血管の詰まりの数が増えると重度認知症にまで発展するおそれがあります。
原因としては高血圧、高脂血漿、糖尿病など生活習慣病が基礎疾患にみられるケースが大半であり、定期的な通院治療、食事療法、運動療法をおすすめしております。

早期発見・早期治療の大切さ

アルツハイマー型認知症は、放置していると進行していきます。明らかな症状が出る頃には、脳がかなり萎縮してしまっていることが多く、現時点では確かな治療法が確率されていません。しかし、進行をゆるやかにするお薬はあります。このため、認知症という病気は、初期の段階で正しく診断・治療することにより進行を遅くすることが大切です。

2016年現在65歳以上の人口は3300万人。認知症の方は500万人との統計があります。10年後には認知症の方は700万人(これは65歳以上の人口の5人に1人の割合)に増加すると厚生労働省は推測しています。だれもがより良い老後を過ごせるようお手伝いさせてください。

画像検査による認知症診断

アルツハイマーの早期診断には画像診断が有効です。
画像診断ではMRIだけでなく、特殊な認知症を診断するための脳血流検査や心筋シンチグラフィーも必要に応じて行います。
MRI検査では、はっきりと目に見える症状のない時期から、脳の変化(萎縮)を知ることができます。
検査は30分のあいだ横になるだけですので検査を受ける方への負担は少なく、磁気を用いるため被爆もありません。

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